自動車の売却②事故車の売却するときに気をつける3つのポイント
2016/02/26
下取り、買取に限らず、事故車は査定の際に大きなマイナスポイントとなってきます。
ですから、高く売却できる可能性は無いに等しいだけでなく、査定額ゼロ円とされることも珍しい話ではありません。
また、査定額がセロ円とされて、廃車にするしかなくなった場合には、逆に廃車費用がかかってくるのですからたまったものではありません。
しかし、事故車だからといって、すべてで査定額がゼロ円となるわけではないのです。
今回はできるだけ得となる事故車の売却方法について解説していくことにしましょう。
1.ディーラーや販売店への下取りはNG
ディーラーや販売店で事故車を下取りに出す場合は、高確率でその自動車は廃車となってしまいます。
これは、ディーラーや販売店が事故車を極端に嫌がることが影響しています。
ディーラーや販売店はディーラー系オークションもしくは、自社中古車販売店で販売するしかなく、中古車販売に関しての販売網がシッカリと完備されているわけではないのです。
ですから、転売先が限られる事故車の需要が全くない状態なので、高確率で廃車となってしまうわけです。
これでは、下取りに出したとしても査定額が出るとは考えられませんよね。
事故車だから仕方がないと端から諦めて廃車費用を出すならば問題ありませんが、普通ならば、せめて廃車費用くらいの売却益くらいは欲しいと思うのが普通でしょう。
そこで飛びつきたくなるような話ですが、中にはいくらかの下取り額を提示してくれるディーラーや販売店もあるようなのです。
しかし、注意してください。
これは本当に下取り額が出ているわけではないのです。
通常ディーラーや販売店で下取りする場合には、買い替えが前提となるケースとなってきます。
ということは、当然、新車購入時には新車値引きが行われることとなります。
実は、ディーラーや販売店で事故車に下取り査定が出る場合には、この新車値引きが削られて下取り額に回されていることが多いのが実情です。
この事実を知らない人は本当に下取り査定が行われているわけでもないのに、セールスからの「本当は下取り額は出ないんですけど、今回だけは特別に」といった感じの話に、「本当にいいセールスマンだ」と感心させられることになるわけです。
以上のことからも分かるように、事故車の売却の際にはディーラーや販売店での下取りは絶対にメリットを生むことはないので、控えた方が無難というわけなのです。
2.事故車はまずは買取専門店で査定見積もりを!
では、事故車はどうすればいいの?という話になってきますが、おススメなのが買取専門業者です。
前述したとおり、買取専門業者はディーラーや販売店よりも大規模な中古車販売市場を持っています
ですから、ディーラーや販売店では廃車にするしかない事故車でも、販売先を見つけ出せる可能性が高いのです。
国内では新しいオーナーが見つかりそうもない事故車ですが、状態さえ問題なければ海外では需要がありますし、パーツを切り売りすることも可能です。
また、自動車は鉄として販売することも可能です。
事実、鉄鋼相場の中には鉄スクラップH2(特級)として、自動車を鉄として売った時の値段が記載されているのです。
このように、買取専門業者ならば引き取った後に利益を生み出すための条件が揃っているので、下取りでは出ない査定額が期待できるというわけなのです。
買取専門業者の中には、
・ビッグモーター
・プラスワンオート
・ラビットワールド
・カービュー
のように事故車の買い取りを公言しているところもあります。
こういったところは、特に買い取り後の転売ルートがシッカリとしているので、買取専門業者の中でも査定額を期待することができます。
しかし、いくら査定額が出るといっても、一般車のような査定額を期待することはできないということはよく理解しておきましょう。
廃車費用に気持ち上乗せされたくらいの額くらいだと思って、あまり期待はしないでいた方が無難でしょうね。
3.事故車を偽っての売却はNG!
売却時にはディーラや販売店での下取り、買取専門業者での買い取りにかかわらず、必ず買い取り額を決めるための査定が行われます。
査定は資格を持った査定士によって行われるので、仮に事故車だと偽ったとしても間違いなくバレてしまうこととなります。
ですから、故意に事故車を隠しての売却はするだけ無意味ということなのです。
しかし、中には査定士が調べても分からないものや、シッカリとした査定を行わなかったために契約後に事故車だと判明するケースも少なくありません。
こういった場合には、契約後に売却代金が支払われていても業者から返金を求められるケースが多いようです。
このケースでは言われるがままに相手の要求を飲むしか方法はないのでしょうか?
それでは、このケースで問題となってく2つのパターンを事例とともに説明していくことにしましょう。
シッカリとした査定が行われなかったケース
査定士がプロの有資格者であるといっても、その能力には個人差がありますし、中には職業意欲が極端に落ちている査定士が査定することもないわけではありません。
そんな場合にはシッカリとした査定が行われず、転売後に事故車であることが判明することことが多いのですが、このケースでは、基本的には返金に応じる必要はありません。
プロの査定を行って、それを基に契約が行われているわけですから、その契約は有効なのです。
それを、査定士の過失が原因で事故車と判明したからといって、契約が解除されたり、売却額が減額されるいわれはないのです。
ですから、このケースでは返金に応じる必要はないのです。
しかし、売却した当人が事故車であることを故意に偽って売却した場合には、業者は瑕疵担保責任を問うことによって損害賠償請求や契約の解除が可能となってくるので、業者側に過失があるといっても裁判にでもなれば結果はどうなるかわかりません。
売却時にダマせたとしても、必ず事故車であることは判明します。
面倒なことにならないためにも、くれぐれも故意に事故車を偽っての売却はしないように心がけてくださいね。
査定士でも見抜けないような事故車だったケース
先ほどのように査定時に業者の過失があったケースでは返金に応じる必要はないのですが、何人もの査定士が見ても同じ結果となるような事故車だったというケースは話が変わってきます。
この場合には、先ほど出てきた瑕疵担保責任が間違いなく問われることとなり、損害賠償請求や契約の解除が可能となってきます。
ですから、返金には応じる必要が出てくるというわけです。
このケースで怖いのは、売却した当人も事故者であることを知らないことが多いという点です。
自動車は誰もが新車購入するわけではありません。
中古車を購入して、それを売却する人も数多くいるのです。
ですから、購入後に事故を起こしたことがないとしても、前オーナーが事故を起こした自動車を知らずに購入していることも多いのです。
そうなれば、事故車だと言われても本人は「???」となってしまいますよね。
そうならに為にも、購入時にはシッカリ信用できるところからの購入が重要なポイントとなってくるのです。
以上のように、事故車を隠しての売却は基本的には無理なのですが、それでも事故車売却によるトラブルは発生します。
基本的に売買時には、個人売買であっても売り手には、瑕疵(欠陥)に対する担保責任が生じます。
ですから、契約時に知らせていない瑕疵(欠陥)が見つかった場合には、売り手はそれに対して責任を負わなければならないのです。
これを回避するためにも、売却時には事故車であることは決して隠さないことが重要となってきます。
事故車は通常査定を期待することはできませんが、事故車を取り扱っている買取専門業者ならば売却することも可能です。
後々問題とならないためにも事故者であることは偽らず、一番いい売却方法を選ぶようにしてくださいね。